薬剤部

診療・各部門

当院の薬剤部には10名の薬剤師が勤務しております。
薬剤師が皆様の目にとまるのは主に調剤室の風景でしょうか?

薬剤師の仕事には、

(1)調剤業務 医師の指示である処方箋に基づき入院患者さんの薬をお作りする業務です。
(2)製剤業務 市販されていない薬を原料から作る業務です。
(3)注射剤調剤業務 外来や入院患者さんに使用する注射を払い出す業務です。
(4)輸液・抗癌剤混注業務 2種類以上の注射を混ぜなくてはならないときに、空気中の細菌などが注射に入りこまないよう、無菌的に混合する業務です。
(5)医薬品情報業務 医薬品に関する情報を収集・整理して、医療スタッフや患者さんに情報提供したり、質問に応じたりする業務です。
(6)医薬品管理業務 医薬品の発注・在庫管理等を行う業務です。
(7)薬剤管理指導業務 入院患者さんに対して服薬管理を行う業務です。

等、さまざまなものがあります。
今回はこの中でも業務の中心である調剤と薬剤管理指導業務についてご紹介させていただきます。

調剤業務

調剤とは医師の指示である処方箋に基づき外来や入院患者さんの薬をつくることですが、いくつかの行程があります。

1,処方せんのチェック
処方せんに書かれた内容についてとは医薬品の情報を基にして、使用禁忌、用法用量、相互作用、重複投与など薬による被害がおきないようにチェックします。
少しでも疑問があれば医師と相談して、最良の処方とします。

2,調剤
処方内容のチェックの後、処方せんに基づいて錠剤、散剤、外用剤など高い品質が保てるように薬をつくります。

3,最終チェック
調剤した薬を、調剤した薬剤師とは別の薬剤師が二重にチェックして安心してのんでいただけるようにします。


一言で調剤といっても、このように多くの行程をたどるため、多少お時間をいただくこともありますが、常に業務内容を見直し、待ち時間短縮に勤めております。(お薬の内容につきましては、説明書を添付させていただいておりますが、ご不明な点、疑問等ございましたら、お気軽に薬剤師にお声かけ下さい。)

お薬の引き換えは、薬剤部の窓口にて下記の時間帯に行っております。
 月~金(祝祭日を除く)
8時30分~17時30分

なお、上記時間のご都合が悪い方は薬剤部へご相談下さい。
また、保管期間が2週間以上経過したお薬は処分いたしますのでご理解の程よろしくお願いいたします。

薬剤管理指導業務

この業務は聞きなれない言葉かもしれませんが、入院患者さんに対して服薬管理をするものです。
入院中の治療に関して、有効な薬物治療の確立、患者さんへのサービスの向上を目的として行っています。
実際にこの業務がどのように行われているかご紹介します。

1,患者さんに関する情報収集
患者さんのこれまでの副作用歴、既往歴(今までにかかった病気、かかっている病気)、他院などで服用している薬、市販薬やサプリメント類の服用状況など、今の病状も含めて情報収集を行います。医師や看護師にも最初にいろいろ聞かれると思いますが、今後の治療がより有効で安全に行われるために重要なことなのです。

2,治療薬についての検討
治療薬について、量や使い方は適切か、相互作用はないか、投与経路は適切か、合併症などに悪影響はないかなど、薬剤師の視点から検討します。
何か問題点等が考えられれば医師と相談し、より良い治療法を目指します。

3,お薬に関する説明
患者さんあるいはそのご家族へ治療薬について効能効果、服用量や回数、使用法、服用法、副作用、注意事項などについてご説明します。

4,効果、副作用の確認
患者さんのお部屋に行って患者さんのお顔を見ながら薬の効果がきちんとでているか、副作用はでていないか確認します。効果や副作用は検査値などでも確認できますが、患者さんの症状の変化をうかがうことが効果の確認、副作用の発見には重要なのです。
入院中の患者さんには定期的にベットサイドにおうかがいし、症状などをお聞きすることになります。
効果がなかったり、副作用が出ていたりすれば医師と相談し薬剤の中止や変更など適正な薬物療法を目指します。薬剤管理指導業務は患者さんが安心してより有効かつ安全な薬物治療を受けられるようにするための仕事なのです。