診療・各部門
当院の薬剤部には12名の薬剤師が勤務しています。
当院の薬剤師の活動に関してご紹介します。
薬剤師の仕事には、
| (1)調剤業務 | 医師の指示である処方箋に基づき入院患者さんの薬をお作りする業務です。 |
|---|---|
| (2)製剤業務 | 市販されていない薬を原料から作る業務です。 |
| (3)注射剤調剤業務 | 外来や入院患者さんに使用する注射を払い出す業務です。 |
| (4)輸液・抗癌剤混注業務 | 2種類以上の注射を混ぜなくてはならないときに、空気中の細菌などが注射に入りこまないよう、無菌的に混合する業務です。また、抗がん剤については薬剤の曝露が問題となるため、薬剤師による混注を行っています。 |
| (5)医薬品情報業務 | 医薬品に関する情報を収集・整理して、医療スタッフや患者さんに情報提供したり、質問に応じたりする業務です。 |
| (6)医薬品管理業務 | 医薬品の発注・在庫管理等を行う業務です。 |
| (7)薬剤管理指導業務 | 入院患者さんに対して服薬管理を行う業務です。 |
等、さまざまなものがあります。
今回は調剤と薬剤管理指導業務を中心にご紹介します。
調剤業務
当院では院外処方率90%のため、外来に受診された患者さんにはあまりお目に掛かることは無いかと思います。
救急外来などの一部の外来処方の調剤以外は、主に入院している患者さんの処方の調剤をしています。
1,処方せんのチェック
処方せんに書かれた内容についてとは医薬品の情報を基にして、使用禁忌、用法用量、相互作用、重複投与など薬による被害がおきないようにチェックします。
少しでも疑問があれば医師と相談して、最良の処方とします。
2,調剤
処方内容のチェックの後、処方せんに基づいて錠剤、散剤、外用剤、注射(点滴)など高い品質が保てるように薬をつくります。
3,最終チェック
調剤した薬を、調剤した薬剤師とは別の薬剤師が二重にチェックして安心してのんでいただけるようにします。
薬剤管理指導業務
この業務は聞きなれない言葉かもしれませんが、入院患者さんに対して服薬管理をするものです。
入院中の治療に関して、有効な薬物治療の確立、患者さんへのサービスの向上を目的として行っています。
当院では1病棟に1名以上の薬剤師が常駐しています。
実際にこの業務がどのように行われているかご紹介します。
1,患者さんに関する情報収集
患者さんのこれまでの副作用歴、既往歴(今までにかかった病気、かかっている病気)、他院などで服用している薬、市販薬やサプリメント類の服用状況など、今の病状も含めて情報収集を行います。医師や看護師にも最初にいろいろ聞かれると思いますが、今後の治療がより有効で安全に行われるために重要なことなのです。
2,治療薬についての検討
治療薬について、量や使い方は適切か、相互作用はないか、投与経路は適切か、合併症などに悪影響はないかなど、薬剤師の視点から検討します。
何か問題点等が考えられれば医師と相談し、より良い治療法を目指します。
3,お薬に関する説明
患者さんあるいはそのご家族へ治療薬について効能効果、服用量や回数、使用法、服用法、副作用、注意事項などについてご説明します。
4,効果、副作用の確認
患者さんのお部屋に行って患者さんのお顔を見ながら薬の効果がきちんとでているか、副作用はでていないか確認します。効果や副作用は検査値などでも確認できますが、患者さんの症状の変化をうかがうことが効果の確認、副作用の発見には重要なのです。
入院中の患者さんには定期的にベットサイドにおうかがいし、症状などをお聞きすることになります。
効果がなかったり、副作用が出ていたりすれば医師と相談し薬剤の中止や変更など適正な薬物療法を目指します。薬剤管理指導業務は患者さんが安心してより有効かつ安全な薬物治療を受けられるようにするための仕事なのです。
5,お薬の管理
病気によって、ご自分でお薬を管理できない患者さんに対して、薬剤師が配薬セットを行っています。
また、カンファレンスや回診に参加し、現在の服薬状況や退院後の服薬管理などを多職種と情報共有を行っています。
6,退院時における薬剤調整
退院時において、退院後も服用が必要なお薬の確認、受け渡しを行っています。また、地域の調剤薬局と連携し、
継続的な薬学的フォローを受けられるよう情報共有を行うことで薬薬連携の推進に力を入れています。
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
薬剤管理指導件数 |
7044 |
9341 |
9255 |
|
退院時薬剤情報管理指導料 |
1698 |
2198 |
1921 |

学生実習
当院では薬学部5年生における薬学実務実習の受け入れを行っています。
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
受け入れ実績 |
9人 |
9人 |
9人 |
入院中の患者さんに於きましては当院の薬剤師のサポートを受けた学生が直接お話を伺う機会もあると思います。学生にとって貴重な体験となると思いますので、お気軽にお話していただけたらと思います。
化学療法室
当院の化学療法室には薬剤師が常駐しています。


★レジメンとトレーシングレポートについてはこちらをご覧下さい。
術前薬剤師外来
当院では手術を予定されている患者さんに対して、安心安全な手術を受けて頂けるように手術の前に薬剤師による面談を行っております。
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
術前介入 |
415 |
364 |
526 |
|
周術期薬剤管理加算 |
220 |
324 |
448 |
手術の前に休薬する薬やサプリメントについて確認します。実際に、薬剤師が休薬が必要な薬を指摘できた症例もあります。
チーム医療
当院の薬剤師は多職種チームに参加しています。感染チーム(ICT)、褥瘡ケアチーム、栄養管理チーム(NST)、心不全チームなどがあります。各チームで薬剤師としての職能を発揮して、より質の高い医療を提供できるように努めています。

資格取得者(2025年度)
日本薬剤師研修センター認定薬剤師 1名
NST臨床実地修練 5名
外来がん治療専門薬剤師 1名
抗菌化学療法認定薬剤師 1名
日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物療法認定薬剤師 1名
日病薬 病院薬学認定薬剤師 3名
NST専門療法士 1名
認定実務実習指導薬剤師 3名

病院見学について
入職希望者による病院見学を随時受け付けております。お気軽に下記電話番号から薬剤部までご連絡下さい。
病院代表番号:03-3738-8221

